「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「一升坂と猿石」

高市郡高取町の高取山上にある高取城跡への登り坂に、一升坂という急な坂があり、こんな伝説があります。
むかし 高取城を築く時、石垣の石材は、多く西北のいまの橿原市鳥居の増田が池の辺から取りました。
ところが、その人夫たちが、いまの一升坂まで登っていったが、あまりけわしいので、それから上へは登ることができず、難儀をしていました。その時奉行が
「それでは、日に一升ずつふやしてやるから、元気を出せ」
と申しましたので、ようやく大石も山上まで上がりました。それ以来、ここを一升坂というようになったといいます。
また、この道すじに一つの猿石という不思議な石があります。猿のような顔を彫ってあるので、そんなにいいますが、猿やら何やらよくわからないのです。近鉄飛鳥駅東北の桧隈の墓にもこんな猿石が四個ありますが、これと一類のものらしいのです。元禄時代に阪合村平田の池田という所から発掘されたもので、何の石かわかりませんが、庚申の神として造られたのではないかといわれています。
この高取城は、明治のはじめまではまだ山上に白壁の天守閣が、木の間から眺められたそうで、
 雪かとみれば
 雪でござらぬ
 土佐の城


とうたわれていたそうです。

×

非ログインユーザーとして返信する