「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「寒つばきと霊木」

天理市の丹波市から南方、御霊神社から三味田(さんまいでん)あたりにかけて、田のあぜに寒つばきという寒中に穂を出すツバナ(チガヤのこと)が生えています。
天正の乱世のころ、この東方にそびえる十市城の十市遠忠(といちとおいただ)を攻めた越智玄蕃頭が北国から寒つばきを移植しました。それは、この花穂が寒中に白い剣のように輝くので、兵士がたくさん槍を持って立っているようようにめせるための擬装だったのだといいます。
(この」草は麻疹にもよくきき、女子のこしけの薬用にもなるので、明治初年までは京都の公家の奥方が、この寒つばなを採取にきたともいいます。)


三昧田から東南にあった中山という所に中楽寺という古いお寺があって、十一面観音菩薩
像があります。
むかし、行基菩薩が中山のある草庵で一夜あかされたことがありました。その時、長山の土中から、光を放つものがあります。行って見ますと、それは一つの朽ち木でありました。これは霊木であるといって、みずからこの木をもって観音菩薩の像を刻まれました。そしてお堂を建て、これを安置し、中楽寺とされました。
ところがこの寺は天正四年、十市城が落城した時、兵火にかかって焼けてしまいましたので、今あるお堂や、菩薩像はその後の天正以後のものです。
むかし、

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