「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「川上村の昔話」から
「筆ふき草の話」
草でな、お大師さんが矢立てでな、字書くねん。筆を草でふいたら、その墨がな、ちょうど筆をふいた、はさんでふいたように、両方とも黒い植物がありまんねや。こら、今でもありますわ。ここらじゃないけどな、よう山行くと、葉をな、両方とも筆をぱーっとふいたようにな、一枚の葉の両方に、黒い墨がふいたような形になった草がありますねや。それがまあ、伝説いうんやなあ。これ、弘法大師さんが筆を、字書くのに筆と、この草でふいてんと、ちゅうことを、わしらは聞いてますねや。
まあ、草見たらなあ、ほんまに、ちょうど筆をふいたような形にな、一枚の葉で、ずーっと、こう、両方とも黒うなってますねやわ。わしゃ、どってまあ、それを両方あるさかいに、それをお大師さんにかたどって言うたんか、また、それは事実あったんかなあ思いますけど。わしらでも、ほんとに何やなあ、筆をふいた形やなあ、ほて、墨両方の葉も黒いなあ、こら墨の形やなあ、と思て、それ見る度に、ああ、こら、こんなやっぱりあんねんやろかい。不思議に思いますわ、この草もありますで。
こういう伝説はよう聞きます。

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