「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「川上村の昔話」から
かちかち山
 狸と兎と、はじめ、なんですかな、泥の舟に乗せられて、狸に兎が。あの、櫂でその舟を叩き割って、そしてだまされて、その、えらい目においうたとかなんとかっていうようなことがあったような気がするんです。それから、あの、敵討ちのために、柴を背負うて、そして、帰ってくるときに、あの、火打ち石で、あの、火をおこして、そして、あの、狸の背中へ背負うておるところのたきぎへ火をつけたと。カチカチて火打ちをする音がするんで、
「それは何か」っちうってて振り返って、
その狸がきいたら、
「いや、これはかちかち山やよってにカチカチ音がする」とか。
それから、大火傷をした狸に、今度は
「薬を塗ってやろう」っていうて、唐辛子のすりつぶしたんを、その背中へ一面に塗ったんで、狸がまた泣きだしたとか、ていうようなこと、合ったように思うんですけどね。

×

非ログインユーザーとして返信する