「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

心念寺の「雨乞いお地蔵さま」②
大福村の東新堂 新屋敷の農家の人々は相談の上
「何とか心念寺の 雨乞い地蔵さんにお出まし願えんものか」と村の総代さん達がお願いに来られました。
その頃の住職さんは今の住職さんのおじいさんに当たる聞治和尚さんでしたが 村人の願いを聞いて 「雨乞いの特別祈祷と出開帳をされることを決心されました。
それまでは、このお地蔵様は秘仏として地蔵堂の奥に安置されており、代々の住職以外はだれも間近に拝むことは出来ませんでした。
そして 7月23日のお地蔵さんの日を中心に7の日間のご祈祷が毎日続けられることになり、本堂の前に台が組まれ、初めてお地蔵様を目前に拝むことが出来ました。
お地蔵様は木造りで子供の大きさをしておられました。
連日炎天下で住職さんのご祈祷が続けられ、農家の人は、勿論 檀家の人や近在の人々も「なむお地蔵様」と和尚さんのお念仏に合わせておがみました。
和尚さんは衣まで汗でびっしょり、そのうち誰かが叫びました。
「お地蔵さん汗かいてはる」皆んなは一せいにお地蔵さんを見ました。お地蔵さんの頭から、額から、流れる汗のあとがたしかに人の目にはっきりと入りました。
7月1日のご祈祷も終わりお地蔵さんは御神輿のような台座に乗せられて、いよいよ出開帳として村々を廻られることになりました。
東新堂 新屋敷 からは大勢の村役の人がお迎えに来られ檀家の人や三輪の人々が町はずれまで見送られました。

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