薬師寺近くの「うのん」から大和気象歳時記 添上郡のお話
女房の知恵
むかし、あるところに、大工の名人がおったんや。家を建てるのに、あやまって大黒柱を五寸ばかり短く切ってしまやったが、継いだりしたら、名人の面目にかかわるしな。
「こりゃ、腹っを切らにゃならん」
いうて、家に帰ってなげきやってんと。
ほたら、女房がかたわらから、
「そんなら、柱の下にそれだけの石を置いたら、よろしいおまんか」
と、口をそえやった。大工さんは、
「なるほど、そりゃエエ考えじゃ、イヤ、ものは相談、つねには何んにもならんお前じゃと思うとったが、間に合うときもあったナァ」
というて、そのいうた通り、柱の下に石を継ぎたしやった。これがはしらの根石ー礎石の始まりになてんと。
外部資料
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