「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの「うのん」から大和気象歳時記 天理市のお話

宝物のとり替え
むかし、櫟本の西の方にイチヒの大木があってんと。そんの上に悪い天狗がすんどって、イチヒの実がなったら、上から投げてばっかしおってな、人々をいじめる困ったやつじゃった。そいから、ニワトリやくだものを取ったり、毎年美しい娘さんを人身供養に出せとってんと。

外部資料

外部資料



ある年、中国から帰らはった偉い坊さんが、天狗を退治しようと思わはって、
「もしもし天狗さん。中国からいい宝物を持って帰ったよ」
そういうて、衣の下から眼鏡を取り出さってな、
「これを耳にかけると、大和の国中(くんなか)がすっかりすかし見える」
ちゅうてさそい出さはってん。そいで眼鏡とイチヒの大木とを取り替えるようになり、坊さんは、おおきいのこぎりでイチヒの根元を、
「ゴシゴシ」
と切ってしまってん。そいで天狗は眼鏡を持ってうれしそうに遠いところへ行こってんと。

■住所 630-8053奈良県奈良市七条1丁目11-14
■℡  0742-43-8152

×

非ログインユーザーとして返信する