「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「モコン鳥居」


五條市小和の御霊神社は、光仁天皇の皇后」井上内親王をおまつりしてあります。
光仁天皇は奈良朝七代の最後の天皇ですが、その皇后さまの井上内親王は廃されて、
そのうえ五條市の近くへ流されられたと伝えられています。そんなお気の毒な方だから、さぞその霊魂はお怒りになっているだろうというので、その霊魂をなぐさめるためのお宮をまつられることになりました。御霊神社というのは各地にありますが、井上内親王に限らず、こういうお気の毒な方をまつる神さまです。
さてr、いまから五百年ほど前に、いまの五条市(旧宇智郡)内五十三が村に宮分けをしてまつることになりました。ところが、この時、お宮にあった神宝を方々の村へ分けて持っていきましたが、お霊様はこの小和に移られることを希望されたといって、小和の人はお霊様の御神体をかついで帰ってきました。すると霊安寺の人は、御神体を奪われては大変だといって、これを取り返そうと追っかけて、野原のところで、御神体の手をつかまえました。そこへ大島の人がお霊様を負うて吉野川を渡らしてくれました。
それから逃げて帰って、ほっと一息してますと、追ってくる人もありませんでしたので、そこへ鳥居を建てました。
もう来んというので、それをモコン鳥居と名づけました。
そして、間もなくお宮を造っておまつりしたのが、いまの小和の御霊神社だといいます。

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