「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

平城京と佐保川

平城京遷都の際、藤原京から、物資が佐保川を使い運ばれたと万葉集にみることが出来る。
「大君の御命かしこみにきびにし家をすて・・ 奈良の京の佐保川に い行き至りて」と記されている。
「猿穂河(さほかわ)の 小石踐渡り ぬばたまの
 黒馬の来る夜は 年にもあらぬか」
「千鳥なく 佐保の河門の 清き瀬に
 馬うち渡し 何時か通はむ」
「佐保河の 清き河原に鳴く千鳥
 蝦と二つ わすれかねつも」
「佐保河の 水寒き上げて 植えし田を
 刈る早飯(わさいひ)は 濁りなるべし」
など十二首の歌がある。佐保川のほとりに大宮人たちが住み 楽しい憩いとロマンを育てた川であったことがうかがわれる。 
佐保川の北にあるのが佐保山で、川と山との間を佐保の内と呼ばれていた。
「我が門に 禁(と)る田をみれば 沙穂の内
  秋萩すすき 念(おも)ほゆるかも」
「梅 柳過くらく惜しみ 佐保の内
  遊びしことを 宮もとどろに」
ここも大宮人の楽しい遊びの里であっただろう。
また 平城京遷都に際して発せられた詔にも 「平城の地三方が山に囲まれ、佐保川・秋篠川が左右に流れ、南方が開けているので都にふさわしい土地である。都をここに遷しましょう」とおおせられていることから その佐保川は平城遷都に大きな役割をはたしたことがうかがわれる。


本のある喫茶店 うのん
■住所 630-8053奈良県奈良市七条1丁目11-14
■℡:0742-43-8152
■✉:honcafeunon.nara.nisinokyo@gmail.com

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