「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

牛の宮 大和平野

大和郡山市の町から斑鳩への道をとると小泉の慈光院に至る。自光院は晩年の片桐石州が隠居したところで、その茶室は不味堂(ふまいどう)と、大刈込を配しただけだが、大和平野を背景としたじつにダイナミックな構成美をを持つ庭は名高い。この手前に池之内という集落があるが、そこに牛の宮という塚がある。東西13メートル南北10メートルほどの円墳で、

外部資料

もとは堀もあった。昔ある百姓衆が六か年の約束で、一人の小僧を雇った。小僧はよく主人に仕えたが、約束の半分の三年たったとき、ふとしたことから病気になって死んでしまった。その後主人の夢枕に小僧が現れ、生前の主人へのお礼を言い、残り三年分は明日伯楽が引いてくるはずの牛で補ってほしい。毛色は真っ黒で、時刻は朝六つ半刻と告げて消えた。はたして翌日、夢のとおりに伯楽が牛を連れてきた。主人はそれを買い取って使ってみるとじつによい牛で、ほかの牛の二倍も三倍も働く。そして三年たつと、何事もないのにその牛が急死していまった。主人が深く悲しんで塚を築いてその牛を葬ったのがこの牛の宮だという。

×

非ログインユーザーとして返信する