「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「座頭淵と筏乗りの神」

吉野川の流れの中には、いろいろの難所があります。
大淀町下淵と佐名伝との間に、ザタブチ、あるいはザッタブチという淵があります。
ザタ、またザッタというのはいうのは座頭のことらしいのです。座頭といっても、あなた方にはわからないでしょうが、むかしの盲さんのことで、あんまや針をしたり、歌の師匠をしたり、盲で出来る仕事をしておられました。
それで、このザタブチ、またザッタブチというのは、座頭さんが、誤ってといわれています。
足をすべらして、吉野川の淵へ落ちて死んだ所だそうです。
こういう吉野川の難所は、筏乗りの人にも難儀なところでした。
下淵の上流、増口の椿井の森の下は、奔流が岩をうつところで、筏乗りの難所といわれています。
年々、死者や負傷者を出す事故がおきますので、明和4年に筏連中が相談して、椿井の森、増口の水分神社に高さ61段の石段を献納しました。それからは一人も水難がありませんでしたので、筏乗りの神さまとして、あがめられております。
それでその祭礼の時は、水上安全の神様として必ず、川魚、鮎などをお供えされるそうです。
近年は、ここの氏子に熱心な方があって、歌や俳句の献詠を求めて、お祭りの日に、これを神様に献上されております。

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