「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「子部(こべ)の里」


初瀬の近くの泊瀬朝倉宮(はつせあさくらみや)に宮居されました雄略天皇は、養蚕の業を奨励するために、スガルという臣を呼んで、国内の蚕を集めて、奉るように命じられました。むかしは蚕のことをコといいましたので、「コを集めてくるように」といわれたのを、「子を集めてくるよう」にといわれたとまちがえてききました。
「さ、えらいことだ。全国の子供を集めてこいということだが、これは大へんだ」と思って、村々をまわっては、大声で、
「さあ、さあ、お天子さまのお召しじゃ。子供はみんな集まってこい」
といって周りました。
そうして集まってきた子供を、たくさん集めて宮中へ参りました。
お天子様は驚かれて、
「これは、これは、スルガの奴、蚕と子供とまちがえたと見えるわい。 よし、よし、その子供をみんなスルガにあげて養わせてあげよう」
とおしゃってスルガに少子部(しょうしべ)という姓を賜り、大和の子部の里でその子供を養わせたということです。



この子部の里は今の橿原市の飯高という小槻の辺りで 昔は多くの里の一部でした。子供を育ててからその辺りを子部の里といわれるようになりました。飯高には子部神社があり 毎年十月十五日に、ここでスルガ祭りが行われます。
奈良県はもちろんののこと、大阪 京都 神戸 和歌山などの幼稚園 保育園の先生方がお参りにきます。

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