「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

奈良晒

奈良晒といえば一般的に余り知られていないが、江戸時代には奈良町の特産といわれ、奈良町の人々の90%はないかしらのこの奈良晒に関係していたといわれるほどであった。
貞享年間(1684~87)に「奈良曝」には「曝蔵方28軒 曝問屋方32軒 青芋問屋6軒 布モミヤ六軒 曝屋24軒 曝数合30軒 布中買6~7百人 ぬきかせ屋14軒」と記しており、いかに多くの人々がこの業にかかわっていたかが知られている。
奈良晒というのは麻を糸につむぎ、それを布に織上げて晒したもので、江戸時代のはじめ清須美源四朗がはじめたといわれる。汗をはじき肌ざわりもよいので、夏着として一般に愛用されたばかりではなく、武士の上下 神官 僧侶の衣料として親しまれていた。東北地方から麻糸を買い集め、江戸幕府の格別の保護のもとで、主に東山間(田原 月ヶ瀬)で織られ奈良町で晒し、織物として仕上げたところで奈良晒とよばれるようになった。
しかし、明治維新の廃藩で武士は浪人になり、僧侶も還俗することになったため、需要が激減し、他の地方においても絹織物 木綿織物 麻織物が続出し、徳川幕府の配慮で大船に乗ったつもりで安心していたためか競争に勝てず、遂に蚊帳の製造に転じたり、廃業する業者もでた。
現在奈良晒が見直され 奈良のあたらしい工芸品として製作されている。


本のある喫茶店 うのん
■住所630-8053奈良県奈良市七条1丁目11-14
■℡:0742-43-8152
■✉:honcafeunon.nara.nisinokyo@gmail.com


https:honcafeunon.nara.nisinokyo

























奈良晒といえば一般的にあまり知られていないが、江戸時代には、奈良町の特産といわれ、奈良町の人々の90%はなにかしらこの奈良晒に関係したといわれるほどである。

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