「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「川上村の昔に話」から
「伯母峰の一本足」
あれは義経の馬でねえ。ほいで馬が戦争に足二本いためて、二本足になってもてね。ほいで、あこでほかしたていいますねんな。伯母峰でね。義経が吉野へ来たときにね、まあこっちへ来て、あこでほかしたいいますねんさ。
そのほかした馬がね、悪いことしてしゃないってね。畑荒らして。ほして、鉄砲もって鉄砲で撃ったら足一本ないようになってもてね、一本足になってしもたんです。
それからその馬がね
「今度はあの鉄砲さえなかったらね」ーーー北山の西原というところのちょっと手前に、そこにその堂たってますわい、小っさい堂がね、道端にね。今どうなったか知らんが、昔の県道のそばにたっとったんですわ。その堂に鉄砲祭ったるのですわーーーほたら、
「その鉄砲がないようになったらね、西原の町を野にしてしまう」ちゃてね。一本足が言うとってんけどね。その一本足は、銃があんのでね、ようしませんねて。そしてその銃が、果ての二十日にね、十二月二十日いうたら寒いときですわな、冬ですわな、その銃にはね、露が置くんやてね。一本足が果ての二十日に出て、前に銃で撃ったらしいですわい。今度はまた、果ての二十日に一本足が出たら悪いさかい、精入れて露が浮くんやちゅうてね、いう手露が浮く、露が浮くて言いましたわいお。それ、事実わしら見たことないけどね、そやけど銃は祭ってありましたわ。今でもどっかに、北山にその銃は置いたるはずですわ。昔の火縄銃でね。



同じ話 タイトルですが話が少々違い 時代も不思議に感じることもありますが、同様の内容や単語もあり 興味深くかんじます。

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