「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「川上村の昔話」から
「伯母峰の一本足」
まあ、いろんなことを言うてますけども、やっぱりあの伯母ヶ峰峰にもう毎日のように怪物が、まあ、出没して、そして、その、、通行する人を悩ましたと。それで、猟師がこの鉄砲でも、てうちに行ったけえども、弾がはねかえってきて、どうしても、その、弾があたらなんだと。それにあとになってわかったことであるけえども、なんか、まあ、年を経た。いろいろな説あるんですけども、そのまあ、猪のようなものであるとか、また、あの、猿の功を経たようなのであるとか、いろいろに話あまあ語る人によってわかれてますけれども、まあ、この、松やにを塗って、体じゅうへ、そして毛を固めてしておるので、それで、そのなにが、禅が当たらなんだと。
そしたら その、名僧知識の坊さんがおって、そして、はからずも、その、なにといき会うて、その怪物を、そして、まあ、問答をやったと。禅問答のようなことをやって、そして、その、怪物の方が、その負けたので、それで、その
「これからは、あの 師走の二十日ですな。十二月の二十日だけをお前の出てくるのを認めるさかえ、それ以外のときには、あの、絶対に旅人を悩ますようなことをするな」ということで、とうとう話が、まあ、双方にまとまって、そして、あの、したので、十二月の二十日の日だけは、もう、旅人も誰一人も伯母ヶ峰峰を超える者はなかったと。こういうふうに結んどる人もありますし、それからまた、猟師に撃たれて、そして、あの、足を一本怪我して、そして、あの、入之波の温泉あたりへ怪物は湯治に行ったと。それと、その怪物の名前は生笹(いくささ)と、生きる笹ですな、生笹という名前のもんであったと。
こういうふうに、あの、いうて、それから まあ、伯母ヶ峰の一本足というておるというような、あの、似たりよったりですが、いろんな言い伝えがあって、そして、あの、伯叔ヶ峰峰から北山の方へちょっとくだりましたとこに、あの、一軒家が、今もあるかどうかわかりませんけえども、西原という在所へ行きますまでの間に一軒家が,茶店がありまして、そこに、その、先祖の猟師が、あの、生笹を撃った鉄砲やっていうのが、いまだに、あの、保管しとるというようなことも、事実わたし、その鉄砲ていうのを見せてもらったことはないんですけえども、あの、土地の人、その付近の土地の人らの話を聞きますと、そういうようなこともずっと言い伝えられてましたけどね。

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