「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「川上村の昔話」から
姥捨て山の話 6
むかしむかしな、お爺な、長いこと長いこと病めとって、もうそそうは出るし、どうもかなわんからな、ほかしに行こなちゅうて、モッコ入れてな、ほいで、そのお爺を、もう足腰立たへんし、長年寝とるし、まあ、半死みたいになとんて死なんだんやろうか。ほんでまあ、昔話やけど、そこへみて入れて、そいで、奥山へみてな、我子とさしもちして奥山へ行てんて。
ほいだら、その奥山へ穴掘ってな、そのお爺をいけて、ほいで、ちゃんと片付けといてな、で、そのモッコと杖と棒とをもって、
「おとっつぁん、こんなもんな、人に見られたんやし、もうここで、どないか、いけるか捨てるかするわ」ちゅうて、片付けとったら子はな、
「お父ちゃんかって、こないなったらな、また連れてこんなんさかい、その荷物な、モッコも杖も持っていのら」って言うたっちゅと、子供が、そこで改心してな、後悔したってなあ、びっくりして。死ぬ自分が、また、子に見せんのといっしょやわな。それも戒めやな、やっぱりな。子の知恵になにせられたってな。

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