「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「川上村の昔話」から
姥捨て山の話 5
息子がなあ、あの、お婆さんを捨てに行くんでしょう。もうな、こんな年寄ってな、なんぼ生きたってなあ、もうお婆さんはもうあれやから、
「わしはな、姥捨て山に捨ててくれたらええさかいに、ほんでもう、わしはもうこの世に何にも未練がないから」と言うてな、でまあ、無理やからに連れて行たんやないのやなあ。
「まあ捨ててくれても、もうわしは観念するから」と言うてな、ほいてまあ、連れて行たわけです。
「それやったら」言うて、息子が負うて連れて行ったと。そしたら、お婆さんは行く道中な、ポキンポキンと枝を折っていったちゅうんですわなあ。ほいてまあ、
「そんならここで、お婆さんおってや」言うて帰ろと思たら
「これこれお前、ちょっと待ち」ちゅうてな、
「あのな、もしお前が道に迷ったらと思てな、すこおしはみな、木の枝を折ってあるよってに、それを頼りに帰れよ」て言うたら、息子は、
「何としてでも捨てられん」と言うてな、またそのお婆さんをな、負うて連れて帰ったという話。私はそんな話ならあ、子供のときに母親の親からから聞きました。おばあさんから

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