大和の自然
魚を使って運勢占い　２
伝説の魚　ウグイ　を天皇の献上した話の続きである。
天皇にお出しした　ウグイの料理は焼魚であったとし、その片面だけ焼けたのを天皇がとりあげて、「これを水に放して生き返ったら、自分は敵から無事逃れることができる。魚が生き変えられなかったら、自分もダメだ」と卦を立てて占われたという話もある。焼き魚のウグイは不思議にも生き返って泳ぎ去り　天皇も難を逃れられたのである。
これと通じる話が　他にもあるようだ。たとえば　高野山で弘法大師のヤキバエと称しているのがそれである。奥の院への途中　無明橋のたもとで、一人の漁師が魚をクシ焼きにしているところへ通りかかった大師が、これを買いとり、下の玉川へ放してやった。クシ刺しにされた七輪の火にあぶられた魚なのに　これまた行きかえって、泳ぎ去ったというが、これこそ大師様の御奇跡というべきか。その本名はアブラバヤ　だが　背にクシのあとがあってありがたがれる。

外部資料