「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「一本木の野神と曽大根(そおね)のさいかち」


大和高田市今里の西南、高田・根成柿(ねなりがき)線の道路わきに榎の巨木があり、しめ縄を張り張り、石灯ろうをあげ、毎年五月五日にお祭りがあります。この一本木の榎を野神さんとしてまつっているのです。
天文年間(四百余年前)に今里村の名主が金剛山の法起菩薩に月参りをして三百六十回におよんだが、菩薩の分身を村の西南角の榎の大木に移らせるというお告げがありました。
また、むかし、ここのお祭りの時、ほうらくの煤をつけあいして争いとなったことがありました。ところが、その年は豊年で米が倍もとれましたので、毎年の神事には、ほうらくも煤を塗ることになったといいます。



大和高田市曽大根の南端の川岸に、サイカチという大樹があります寝たといいます。高さ十メートルもあり、横の道路を通ると頭に枝がふれるくらいに繁っています。
ある日、村人が作物の苗をかついでこの木陰の橋を渡りますと、橋の上へ小蛇がおりてきました。かごで除けようとすると、たちまち大蛇になっておそいかかってきましたので、驚いて家へ逃げかえりました。その人はその夜から高熱を出して寝たといいます。
またある青年が川の護岸工事でこのサイカチの根を切りましたら、数日後に急死したともいいます。
村人はこの木を霊木として恐れ、そのかたわらに白竜大明神をまつりました。

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