「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「米高岩と米安地蔵」

お米の値段が高くなるか、安くなるかということは、むかしも、いまも大問題で、私たちの生活に大きな影響があります。
五条市小島町の栄山寺境内に大きな忠魂碑が建ってありますが、この石は元来、米高岩といって、栄山寺の前を流れる音無川の淵の上流にあったのだそうです。
この岩の下方が水中に没していたら、その年の米の出来高は平年なみだが、もし下方が水面上に出てきたら、米の出来が悪く、値が高くなるといわれていました。
この音無川にも一つの伝説がある。
むかし、弘法大師が、栄山寺で修行をしようとされましたが、前の吉野川の流れが耳にさわって、どうもうまくいかないので、その流れに向かって、
「音を立てないでくれ」
と一つの石を投げられました。すると、たちまち、あのやかましい水の音が、すっとなくなりました。
これから音無川の名が出たのだといいます。


それとは反対に、栄山寺から吉野川上流2㌔ほどの川の中に、米安地蔵というのがあおられます。
北岸には極楽谷・地獄谷といわれる二つの谷があり、そこを通ると街道の上から、米が安くなると吉野川の川底に長々と地蔵様が現れるのを拝むことができると伝えられています。

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