「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

興福寺 猿沢池 五十二段と六道の辻

猿沢池の北東に興福寺へのぼる石段がある。五十二段と呼ばれている。歩いてみると、五十二の石段からなっている。五十二というのは仏門にはいる修業の階段といわれ、善財童子が五十二人の知識人を尋ねまわったという故事にならってこの石段がつくられたのであろう。この石段をのぼると三条大路で興福寺の南門につながり、古くは興福寺への参詣道となっていたのであろう。
この石段の下がこの石段をあわせて六道になっている。仏教では地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人間・天上の六つを六道と呼び、前世の生活いかんによってこの六道のなかのいずれかにうまれかわるといわれている。どの道が地獄に行く道であるかわからないが、五十二段をあがる道を天上というのかも知れない。五十二段をあがると三条大路に出るが、この道がつまさき上がりの緩やかな坂になっているが、誰がつけたのか「すべり坂」と呼んでいる。修業のできない人が下界へ逆もどりする坂ということであろうか。
二月堂の南側の石段も五十二段になっている。下部と上部の石段に紋様が刻まれている。どうして刻まれたか詳かではないが、興福寺への五十二段と同じ意味で五十二段となったのではなかろうか。


本のある喫茶店 うのん
■住所630-8053奈良県奈良市七条1丁目11-14
■℡:0742-43-8152
■✉honcafeunon.nara.nisinokyo@gmail.com

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