「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「てんりのむかしばなし」から
「車返し」②
また "車返し”には、こんな伝説もあります。
昔、白河天皇の勅使が、多武峰、大和神社 石上神宮等への参詣の折、車に乗ってここを通ると、にわかに車がころんだ。不思議に思った勅使が、最近のもの占いをさせたところ、

「三十町西に管田明神があって、東を向いておられるのに、その前を車で通るからだ」と占いました。それで使いを立て、社殿を南向きにし、毎年九月八日に馬司から馬を七十に疋献上するとの誓いを立てると、車はなんなく動きだしたいということです

また、一説には、大和神社の勅使がこの地にさしかかった時、このあたりで争いがあって物騒だったので、難をさけてここから京都へ車を引き返したということです。そこでこの地を、"車返し”というようになったということです。そして、大和神社のちゃんちゃん祭(四月一日)のお渡りに出される千代山鉾というもは、この勅使の代りだともいわれています。
この地は明治の終わりまでは、”八町なわて”という野中の道で、その道を横ぎって東から川が流れていて、そこに青石橋という橋がかかっていたということです。そして、現在では人家が密着し、天理教の詰所も建ち並び昔の面影は全然ありません。また、"車返し”の地名を知る人も少なくなりました。

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