「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「川上村の昔話」から
「たるまると蛇」
まる師というのがおってね。まる師がひととこでまるをようけすると、かんなくずがぎょうさんでけるんですわ。そいつをそこへほかすんですわ。ほいたら、その人らが大勢泊まってね。たるまるをこしらえとったら、米が減ってしょうないてね。
「どうしたんやろ、こらどうしたんやろ」と言うとったらね、その、蛇が米をを食てね、太ったんですわ。うんと。蛇が太るとなったらね、皮を脱ぐらしんですわ。腹も背中も一緒に筒に脱ぐんですわ。筒に脱いだ腹の裏にうろこがありますわな。そのうろこが二寸て言いますのやで。そんなうろこがあんのやてね。腹の裏には二寸あったら、胴はこの手いっぱいより大きいでっせ。そのぐらい大きなってきたんでね。
「これはこわい」言うてね。「何処におんねやろ」て木をさらけとったらね、その小屋のそばでね、せんくずがどっさり積んだる。その中に入っとるらしいですわ。ほいて、こらもう火つけて焼くよりしょうないて、そこで焼いてね。ほいてしたら、蛇が焼けてね。焼けるうちに、火の中へバーと頭あげてき、あげてきて、死んだていう話、聞いたことあります。

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