「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「土蜘蛛塚」

御所市森脇町の一言神社の境内に、土蜘蛛というのがあります。
むかし、神武天皇が、カツラで網を作って土蜘蛛を取り、これを頭と胴と脚との三つの部分に切りとって、別々に今の神社の境内に埋め、その上に大きな石をすえておかれました。それがこの土蜘蛛塚だというのです。
なお、この時、土蜘蛛を取るのに、カツラの網を用いられたので、この地方をカツラキといらわれるようになったといいます。
この一言神社の宝物の中にクモの牙という、たいへん大きな牙があります。
村人はクモの死骸を田の中に埋め、一言主命をお宮にまつって、その徳に報い、命がクモ退治に用いられた剣や、クモの牙などを宝物として、永久に保管することにしたといいます。
この葛城の一言主命は顔がみにくいので、葛城から吉野へ岩橋をかけられた時も、夜に出てこの作業をされたという言い伝えがあります。
ところが江戸時代に松尾芭蕉という俳人がこの岩橋のほとりを通り、むかしから葛城の神さんの顔はみにくかったという言い伝えはあるが、こんなに桜の咲いている美しい葛城の地におられた神様がそんなにみにくい顔」だとはおもわれない。一度その神さまの顔をみたいものだという俳句を作られました。
「猶見たし 花に明け行く 神の顔」
という句です。この一言主神社の境内にこの句碑が建っています。

×

非ログインユーザーとして返信する