「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

うのん

薬師寺から少し離れて
「奈良昔ばなし」から「おふじの井戸」

さし絵から

 むかし、奈良がまだ大柳生村とよばれていたころのお話です。柳生の殿さまは、よく馬で、あたりの村や野山をかけめぐられました。
 ある日、遠乗りに出かけられた殿さまは、村をとおりかけました。すると村の井戸では、むすめがひとりせんたくをしています。殿さまは、近づいてむすめに声をかけますと、むすめはふりむきました。なんとむすめは美しい顔だちをしています。殿さまも、むすめにおもわず名前をききました。むすめは、はずかしそうにうつむくと、小さい声で、「ふじ」と、こたえました。むすめのこたえた姿が、又、かわいらしいのです。殿さまは、ますます図にのって問いかけました。「これ、おふじ、せんたくの水がゆれておるが、その波のかずはいくつあるか、こたえてみよ。」とたずねました。おふじも、殿さまの心がわかったのか、「七三(なみ)は、二十一波でございます。」ときっぱりこたえました。殿さまは、おどろいてむすめを見つめていますと、こんどは、おふじがすかさず殿さまに問いかけました。「お殿さまは、柳生の里からこの村まで、馬の足あとはいくつになりますか。」お殿さまは、びっくり!「む・・・むむ」こんどは、殿さまのほうが、ほおをそめてうつむいてしまいました。むすめの目は、お殿さまだからといって、あまりむちゃをおっしゃるものではありませんよと、いさめていました。さすがの剣の達人、柳生のお殿さまも、おふじには負かされてしまいました。
 殿さまは、むすめのちえのよさをほめられ、その後、おふじをお嫁さんにされたということです。

奈良を知って奈良を楽しむ「うのん」

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