薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記
「川上村の昔話」から
「よもぎのとれない村」
この白屋(しらや)という村、あるでしょう。あこへむかしお大師さんが来てな、お大師さんていうことは、あれ、むかし、遍路さん、おったでしょう。あの人が来てな、よもぎ餅をなあちょっとそれひとつくれて言うたらしいわ。くれんださかいちゅううてな、現在でもやなあ、あこの人ら、よもぎあるでしょ、あのお餅にする。草餅にいれる・・・。ほんで、よもぎは今でもあんまり生えんちゅうて、こっちの村まで摘みにきてまんねんわ。それもまあ。落語みたいな、とにかくうそもたいな、ほんまみたいな話やわいなあ。