大和の自然 薬師寺近くのうのんから大和の気象歳時記
横井戸カンガイ
横井戸の断面図
①土管 ②石積 ③石桶横断面
「まんぼ」の構築は普通水田が最もよく乾燥していて努力にも余裕のある冬に行われる。階段状水田の場合は普通ガケが二間ぐらい以上あることが条件である。上の水田に差支えのない程度の高さが必要である。掘るのは殆ど自家努力で行うが、多少経験のある人に依頼する。普通3人が一組となって掘る。一人は小さいつるはしで堀り、一人は「猫車」というy小さい車の中に土を入れる。残りの一人は綱でその「猫車」を外に引き出す。一日の進行は土地の状況によって違うがおよそ2㍍ぐらいと言われている。すなわち一つの「まんぼ」をつくるのに30日〜40日を要する。こんなに苦労すて用水を得ているところに扇状地という特殊な地形と密接な関係がある。この「まんぼ」の湧水量はごくわずかあって、一秒間0.35㍑であった。しかし昼夜継続しているところに価値がある。この横井戸は上部の水田に満水されるとよく湧き冬んひなるとかなり減水する。中にはほとんど水がかれてしまうものもある。
この地にこのような特殊7なものが発達するのは用水獲得の最終的手段であるが、最も基本的なものは基盤が洪積層および基盤の堅い地層があって、比較的地下水の浸透が少なく地表下数㍍でこれを集積出来る。これが、傾斜地で横井戸を掘りやすい事情にある。これは要するに地下水の循環的利用法である。
今では殆どなくなっているが、50年前ごろまでは、使われていた。
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