「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くから 大和の気象歳時記№36 雨乞の種々相

雨乞と芸能
湯立神楽
 雨乞のための神楽 特に湯立神楽が献ぜられる場合も多くあります。生駒郡 髙山八幡の宝暦 明和の「雨乞入用帖」に他の行事と共に湯立が繰り返し行なわれていたのが見えています。大神神社では享保三年(1718年)に祈雨のお祓い三百座あり (大神神社諸事記録)とあって旱魃に祈雨に神楽のあったことが判ります。大和において 村々の氏神をめぐり湯立を中心として 神楽を演じている巫女を ソネッタン・ソーネッツアン と呼んでいます。「惣の市」「その市」のことで 惣のイチ つまり村里の巫女の称です。   この呼称は東山中から 国中 生駒にまで見られますが 今もその命脈を伝えています加奥家系統の湯立神楽は次のようなものです。
 湯立神楽は一般にミユ「御湯)と呼ばれています。神社境内の一郭をミユの祭場とし 湯釜をすえ手前に巫女の座を設け 神酒 米 粢(しとぎ)を入れた三宝と供物 供物を調えた 膳と御弊二本クマザサを束ねたものを用意します。ミユは 祓詞 祝詞 神おろし 神楽 湯立 と一連の構成をもっています。 まず湯釜前で御弊を採ってヌサを撒き祓詞とつずいて祝詞を唱えます。次に「伊勢 岩清水・・・」と二十二の神社名を唱えて神々を呼び出し 詞を唱え 御弊で湯釜を祓つてから 神酒 粢 米 をいれ その場で御弊と鈴を採って神楽を舞います。 
 次に湯をかきまぜてクマザサの束を両手に持って「伊勢は神明天昭皇太神宮様の花の御湯なーり 南は蔵王権現権様の花の御湯なーり さようさ さようさ さようさ 」と唱えつつ周囲に温を振り撒きます。 湯立の神髄は甘雨 順雨に恵まれ五穀の豊かな稔りを祈念しています。 

春日若宮おん祭の大宿所祭のものです

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