「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くから 大和の気象歳時記№49 雨乞

垢離トリ
 桜井市朝倉でも三十三度のオコリトリがある。村人が洩れなく氏神に詣で 榊又は南天の葉を三十三枚取ってきて 鳥井の前に清水を置き これに南天の葉を一枚づつ浸して 拝殿の前に置いてきます。これを三十三度繰り返して全部を拝殿に供えます。
同市初瀬吉隠(よなばり)柳 角柄方面でも雨乞にオコリトリといって氏神の榊の葉を三十三枚採り 一枚づつ水に漬けて鳥井を廻りながら神前に供えます。
天理市二階堂では榊の枝を数本括ったものを沢山作り 川の所に水を張った桶を置いてその榊の枝を一本とって社殿から走って行って桶の水に浸し 又は走り帰って社殿に供え榊のなくなるまで繰り返しました。参加は男子のみです。
大和髙田氏旧陵西村では榊の枝を持って百度石を廻り 榊に水をつけて拝殿に供え雨を祈り これを三十三度くりかえします。これを三十三度といいます。
この外にも上記に似た雨乞が御所市の一部 五條市丹原で 吉野郡西吉野村 川上村西河等で垢離トリが行なわれています。天理市史史料編には荒薪村年代記に 雨乞には石上神宮で百人垢離トリの願をかけ 願が成就したことが記されています。また二百十日の前の「風の祈祷」の際オコリトリをする村がありました。
婿洗い池
 御所市櫛羅(くじら)の葛城山山頂に竜王社があります。社のそばに婿洗い池があります。村の雨乞で 明治の頃まで他村から櫛羅に入婿に来た者はこの池に入れられ 村民が皆して件の婿をあらうと雨が降ったと言われています。祭礼等に 他村から婿に来た者を一番いやな役につける風はよく聞きます。櫛羅の場合も垢離トリ役をこの婿に押しつけたことから このような習俗が生まれたものと考えられます。

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