「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「川上村の昔話」から
「山の神と海の神の争い」
  たわごとみたいな話やけど、山の神さんと、その、海の神さんとのものの言い争い合いになったらしわ。数でいこらて。その、こっちゃは桜や桃や梅や言うて、杉や桧や松や言ううし、海の神さんがもう、その、なんでいたらしわの、魚の名でくんねて。海の名も、その。
へたら、その、山の神さん、そのくらい器量の悪い女子やってんけど、なんやかやすごかったらしいわ。足らんもんやさかいに、今のさるすべりて、百日紅ちゅうて、赤い花咲く木あるやろ。あれは三つないてんが。さるたてんて初め言うといて。猿でも滑るてんでさるたてんて。ほて、さるすべりて言うて、ほしてしまいに百日紅とまで言うて、三つも名言うてんてよ。ほいたら、海の神さんは正直に、お前、なんやかや言うたけど、最後に出てったの、今のおこぜいう魚あるやろ、あれ一匹で負けてんて、山の神さんに。
ほんで、そのおこぜをな、わしらきょうび売んに来んけどよ、おこぜを、その、参ったら喜ぶんやいうてな、そのなんで、数で負けて、おこぜちゅう魚持って参るんやて。そういうように言っとった。そらまあ、聞き伝えやな。

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