「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

#讃岐の雨乞い 6
雨乞の司祭たち
〇竜王の知己
 香川県高松市三番町の竜松山法泉寺の了応和尚は高松藩租源英から雨乞を命ぜられ、いったんことわった、たっての請により引き受けた。
十六人漕ぎの大船を大槌島と小槌島の間の槌の瀬戸に出させ、懐中より一通の書状を取り出海中に投じた。そして大雨となるから直ちにこぎ帰れと命じたが はたして大雨となり三日の間続いたという。
その書状には、一筆啓上候 讃州大旱にて国中難儀致し候間 雨降候様可被成候 御承知に無之候得者 我等其元へ参候而御対談可申候 竜宮殿 法泉寺 (梶原藍水「古今讃岐名所図会」)
これらの話は単なる伝説ではなく かつてはこの様に竜神とのかかわりを説いて自己の法力を宣伝する祈禱僧がいたのではなかろうか
高松の話では竜との因縁が説かれていないが、これほどの強談判をする以上は両者の間のなんらかの因縁がこの話の背景になっているはずである。別に説く、竜女が教化をうけ解脱昇天するを得たお礼に請雨の秘宝を寺に残したという話のごときも やはり竜神と寺との特別なる関係を強調するために創られたものではなかろうか。



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