「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

#旱魃と雨乞い神事 №2

外部資料

奈良県五條市西吉野村八王神社


「雨タンモレ」という言は、古老の話によると、白銀地方の言葉であると教えられたが、後日民族学研究者から「大和地方独特の雨乞いの言葉である」と教えられた。
神輿は川の中央の屋形に安置して、各人一応自宅に帰り夕方から八王神社に区民一同集まって、礼拝祈願を行い、各自持参の松明に点火して、キノミ原堰に向かい鐘や太鼓にあわせて行進しました。そして、「雨モンタレ タンモレ」と大きな声を天に向かって張り上げ歩くとともに、一方では、松明を上下左右に力いっぱい振り回しながら練り歩くのです。
行列の最後尾には消化役がいて、残り火を消して歩きました。
キノミ原堰の神輿安置所に到着する以前に古田川の川原に雲破ち、大トンドの準備が整い、神官が松明の聖火で大トンドに点火しました。
神官は、安置した神輿に向かって雲破ち大トンド儀式に続いて火振り雨乞い祈願を行いました。
以上で神事は終了しましたが、大トンドは雲をも破る勢いで燃え盛り遠く離れた所にいても
暑かったものです。
後日、祈願の御蔭で大雨が降りました。住人たちは、一粒の雨も無駄の無いように感謝の気持ちで節水し尚且つ再度の活用にも努めました。
当時湯川区では、一年中井戸のある家は2,3件で節水に努めても尚且つ不足して、洗濯や風呂水は古田川の水を利用したものです。
旱魃で稲の葉が夕方になっても夜露を巻き上げて来ないと駄目で枯死し、収穫は皆無になるから、表土の黒い時期にヤカンや土瓶で水を一株一株に注水したら 夜露を巻き上げるのを知っています。注水作業は大きな努力が必要です。この注水作業を毎日つづけても被害は増大するばかりで途方に暮れて見切ったこともあった。雨乞い行事の後、恵の雨が降った嬉しさに 雨喜びの休日は三日間も盛大に続きました。区長さんから「お礼参りに波宝神社やお寺 小宮さんに参拝せよ」とのお触れが出て各自参拝したりしました。


人間生活は「水」という貴重な資源をいつまでも大切にしたいものです。



■住所630-8053奈良県奈良市七条1丁目11‐14
■℡0742-43-8152
■✉honcafeunon.nara.nisinokyo@gmail.com

×

非ログインユーザーとして返信する