「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「川上村の昔話」から
「蛇女房」
女の人が毎日毎日川の淵の山へ草刈りに行っとって、毎日川で、水鏡いうて、川の淵で顔を映して頭(かしら)の毛をときつけとった。そしたら、ある日のこと、蛇にとりつかれたいうかね。いつでも川の淵で顔映して化粧しとったもんやよって、その中におった蛇体に懸想されて、とりつかれたちゅうかね。そして、その嫁さんになれいうので、蛇の嫁さんになってしまった。やむをえず沈んでしもて、子供一人残しとって、子供が毎日毎日泣いて淵のほとりへ行ったら、淵から出てきて乳を含んで、またサアッと帰って、ということをとって、しまいに続かんから、もし子供が泣いたらこの玉をあげるから、この玉を見て私だと思って、こういうことで、嫁さん、もう仕方ないから、自分の目の玉をえぐって、それを手でつかんで、そう言うて、自分は盲になって、また蛇の姿になって淵へ沈んでしまった。
旦那さんは嫁さんの目玉をとって持って帰って、子供が夜泣いたら、それを見せたらいっぺん泣きやんで、またすやすや、また泣いたらこっちの右の玉を見せたらまた泣きやんで、すやすや眠ってすごして、子供は玉を見て母だと思って、目の玉を玉にかえて、立派な人になった。

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