「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの「うのん」から大和気象歳時記 三尺のワラジ

三尺のワラジ(草鞋)宇陀郡のお話
ワラジ 外部資料
むかし、姑さんと嫁さんの仲が悪い家があったんや。
嫁さんがよなべ(夜仕事)してやったら、姑さんは、嫁さんになんどいじわるすることはないかなーと思って、火鉢の端にすわって、煙草吸うて、じっと見てらったら、わがヒザボン(膝頭)の上に、煙草の灰がこぼれよって、クスクスクスくすぼっているのも知らんといらった。

外部資料 火鉢

外部資料 火鉢

そしたら、それを見てた女中衆(おなごし)が
「あのバアさん、根性ばかり悪いさかい、膝の上がくすぼったるのを見ても、いわんとーいたれ」
ちゅうて、笑うて見とったら、自分がよそっているご飯をお櫃(おひつ)の中へもらひんで、くどさん(かまど)のかたへばっかし、移していたということや。

外部資料 くどさん (かまど)

それを男衆が、庭で草鞋をつくりながら見てて、
「あの女中衆は、いつもナカツゲ(告げ口)ばっかしするさかい、くどさんに飯もっとること言わんといたれ。そのうちにおこられよんの。おもろいわ・・・。」
と思って、笑うて見てたら、そしたらな、草鞋の丈けが、三尺ほどにもなって、チチ(緒)もないのを作ってやってんと。

外部資料

外部資料


■住所 630-8053奈良県奈良市七条1丁目11-14
■℡  0742-43-8152

薬師寺近くの「うのん」から大和気象歳時記 ヘビ女房

ヘビ女房 嫁取橋  大和郡山市
むかし筒井に一軒の茶屋があってん。その茶屋にコマノっていう気の強い生娘がいやってんと。そこを通って、父の病気祈願に毎月1回、信貴山へはだし参りしてやった布留(ふる)の若いもんにほれやってん。
ほてなー。ある日、夕方おそく若いもんが通りやってんでな、娘はんは、今から行ったら信貴山では日がくれるちゅうて、無理に茶屋に泊めやったんのや。
ほてなー、夜がふけたころ、おもろいふうして、若もんが寝ているとこへ娘さんが、しのんで行きやってんがー。ほたらなー、若もんは布留の明神さんに、 「三年間は堅く身を守ります。」って紀請文を書いてあってんと。そいで、
「かんにんして」
ちゅうて、茶屋から東に向かって逃げださってんが。ほたら、髪ふりみだした娘はんは一目散に若もんを追っかけていきおやってん。
逃げてきやった若もんは、ちょうど八条の宮さんあたりにあった渕の横の松の木によじ登ったところ、松は一夜のうちに大木になって、若もんをかくしやってんと。
ちょうど月の光で若もんの影が渕の水面にうつったもんやから、女は、
「さては!」
と、水の中へ、
「ドブン‼」
と音たてて飛びこまってん。ほてな、そのまま死んでしまやってんが。うらんで死にやったもんやから、大蛇に化けやってな、嫁入る娘さんさえ見れば、恋人を取られるんじゃないかと、引っぱり呑み殺しよってんと。
そいで殿さんは、嫁取りの大蛇を退治しようと、付近の村々へ命じやったところ、八条の庄屋さんが、大蛇退治のクジに当たりやった。
ところが、八条の庄屋さんと乳兄弟で大きゅうなろった子ぎつねが、
「今こそ、育ててもろた御返しの時や」
いうて、夜中に京のお公卿さんの大行列を仕立てて、布留の宮へくりこんでな。
「禁庭さまの ご用だ」
いうて、布留の宮はんで一番たいせつな神劔(かみのつるぎ)を盗み出しよった。そいでめでとう嫁取り大蛇を退治しやってんと。あとで、布留の宮はんへ無事に返さはった神劔は、いつの間にやら小狐丸いうて寳剱になったし、コマノの墓ちゅうのが佐保川にかかっている嫁取橋の付近にのこったんねと。

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薬師寺近くの「うのん」から大和気象歳時記 添上郡のお話

女房の知恵
むかし、あるところに、大工の名人がおったんや。家を建てるのに、あやまって大黒柱を五寸ばかり短く切ってしまやったが、継いだりしたら、名人の面目にかかわるしな。
「こりゃ、腹っを切らにゃならん」
いうて、家に帰ってなげきやってんと。
ほたら、女房がかたわらから、
「そんなら、柱の下にそれだけの石を置いたら、よろしいおまんか」
と、口をそえやった。大工さんは、
「なるほど、そりゃエエ考えじゃ、イヤ、ものは相談、つねには何んにもならんお前じゃと思うとったが、間に合うときもあったナァ」
というて、そのいうた通り、柱の下に石を継ぎたしやった。これがはしらの根石ー礎石の始まりになてんと。

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薬師寺近くの うのん から 弥生のお勧めの本

ならら 3月号
辰年に竜神さまのお話です。
雨を乞う神様 竜神さんのお祭りも多くあります
「龍」の 多くあり 伝説のモノではありますが、
人々の生活と密着した内容です。

あわせて ご覧頂きたく思います。


今月のお休み予定
4日(月)5日(火)
11日(月)12日(火)
17日(日)18日(月)19日(火)
25日(月)26日(火)


3月2日(土)ブラタモリ で正倉院の内容でした。
ご覧なられた方も多くいらしゃるでしょう。
こちらで 昭和35年発行の正倉院の宝物を守ってきた宝庫の中の気象観測の内容
そ数値 初めて調べた方法  機械などが 書かれています。
全国で2冊しかないモノです。
当時の正倉院の内部の気温 湿度 風力等を調べるのに使用された
機械 手作りであったことを 調べられた方々のお話(別)もあります。
当時の苦労や驚きを合わせて 読んで頂きたく紹介してます。
また、初めて方々の話も別に書かれたものもあります。


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薬師寺近くの「うのん」から大和気象歳時記 天理市のお話

宝物のとり替え
むかし、櫟本の西の方にイチヒの大木があってんと。そんの上に悪い天狗がすんどって、イチヒの実がなったら、上から投げてばっかしおってな、人々をいじめる困ったやつじゃった。そいから、ニワトリやくだものを取ったり、毎年美しい娘さんを人身供養に出せとってんと。

外部資料

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ある年、中国から帰らはった偉い坊さんが、天狗を退治しようと思わはって、
「もしもし天狗さん。中国からいい宝物を持って帰ったよ」
そういうて、衣の下から眼鏡を取り出さってな、
「これを耳にかけると、大和の国中(くんなか)がすっかりすかし見える」
ちゅうてさそい出さはってん。そいで眼鏡とイチヒの大木とを取り替えるようになり、坊さんは、おおきいのこぎりでイチヒの根元を、
「ゴシゴシ」
と切ってしまってん。そいで天狗は眼鏡を持ってうれしそうに遠いところへ行こってんと。

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