「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「川上村の昔話」から
「くさかった」
お爺さんとお婆さんがおってね。お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行って、お爺さんは山でおならこいてね。プッとこいたんやて。ほいで、
「くさかった」って帰ってきた。
柴を刈らずにくさかった。



本のある喫茶店 うのん から今月のお知らせ

4日(木)は臨時休業
6日(土)午前中は 歴史の勉強会のため 午後からの営業になります。

春の新作作ってみました。試作品です

薬師寺近くの うのん から 如月のお知らせ

今月のお勧めです
春を告げる 二月堂のお水取り と親しまれている行事 春を待つ思いは今年はいつもより強いです。

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「川上村の昔話」から
「筆ふき草の話」
草でな、お大師さんが矢立てでな、字書くねん。筆を草でふいたら、その墨がな、ちょうど筆をふいた、はさんでふいたように、両方とも黒い植物がありまんねや。こら、今でもありますわ。ここらじゃないけどな、よう山行くと、葉をな、両方とも筆をぱーっとふいたようにな、一枚の葉の両方に、黒い墨がふいたような形になった草がありますねや。それがまあ、伝説いうんやなあ。これ、弘法大師さんが筆を、字書くのに筆と、この草でふいてんと、ちゅうことを、わしらは聞いてますねや。
まあ、草見たらなあ、ほんまに、ちょうど筆をふいたような形にな、一枚の葉で、ずーっと、こう、両方とも黒うなってますねやわ。わしゃ、どってまあ、それを両方あるさかいに、それをお大師さんにかたどって言うたんか、また、それは事実あったんかなあ思いますけど。わしらでも、ほんとに何やなあ、筆をふいた形やなあ、ほて、墨両方の葉も黒いなあ、こら墨の形やなあ、と思て、それ見る度に、ああ、こら、こんなやっぱりあんねんやろかい。不思議に思いますわ、この草もありますで。
こういう伝説はよう聞きます。

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「川上村の昔話」から
ほととぎすとうぐいす
ほととぎすていう鳥はな、あの、うぐいすに卵を暖めてもろて、かえしてもらうんでしょ、ひなに。なあ。ほんで、うぐいすに思いがあるわなあ、ほととぎすは自分が子供育てへんださかいに。自分の子供を。なあ。ほんで、うぐいすの声も出さんとあかんということやね。自分の声もうぐいすの声もなあ。ほんで、八十八声の声を出さんことにゃあかんちゅうねやろうな、ほととぎすは、ほんで、ええ声になるということやからな。あれは怠けもんやさかい。自分でよう卵かえさんちゅたなあ。

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「川上村の昔話」から
「鹿の親不幸」
着物でも、寒いときに、子供のときに、
「これ、上へ、その、ちょっとひっかけてしたらええ」とか。
「風邪ひく」とか言うて、言うことをきかんだときか、なんかやろうと思うんですけども、鹿の親が、あの、鹿の子に、あの、寒いから、それで首へ、その、真綿を出してきて、そして、
「首へこの真綿を、その、つけよ」と言うたけえども、その子供は親の言うこときかん子供で、
「首ぃみいてああいなもんつけたら、きゅうくつな」って言うて、尻へむいてその真綿をつけたので、それで、鹿の尻の方がまっ白に今もなっておって、その、それが目的になって、猟師に、その、鉄砲で撃ち殺されるというようなことになったと。
だから、親の言うことをきかなあかん、というような話、聞いたことがありますけどねえ。