「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和の気象歳時記




何度も紹介しています 通称大池 (勝間田池)奈良県景観資産 です。いつ見ても雄大な風景 若草山 高円山 東大寺大仏殿 も視野に入ってきます。

 勝間田の 池はわれ知る 蓮無し 然言ふ君が 髭無き如し  ー婦人ー
今の西の京の唐招提寺は万葉の最後の天平宝字3年(759)の建立で 寺池は右京五条二坊にあたり、もと天武皇子の新田部皇子の旧宅であった。皇子は天平7年(735)に亡くなっているからこれはそれ以前の歌である。皇子が勝間田の池の風趣に感動して ある婦人に「水影濤々として蓮花灼々たり。可怜断腸、言うことを得べからず」と絶讃したところ、その婦人がこの戯歌を作って吟詠したものという。あまりに手放しで絶讃するので婦人(寵愛の人であろう)が逆さに戯れて皮肉ったものであろう。皇子は事実は事実ひげが深かったとも あるいは無かったともいわれ またはたとえで 2人の愛情の問題だともいわれる。
その勝間田の池は邸宅から遠投くないところにあったのだろうが 今日どこともわからない。薬師寺では寺の西方の通称七条大池をその池として伝えてきている。薬師寺の前から近鉄の線路を横断すると時期に堤防となり 堤にあがると相当な大池である。池の西側にまわるとすでに当時から建っていた薬師寺東塔も影をうつし 遠く春日山もかすいんで、菅原の里とはうってかわった西の京の風趣が感じられ このような池ででもあったかと思われる。

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