「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くから 大和の気象歳事記No.301 神無月

正倉院の気象  曝涼に学

昭和52年春書店の福住さんの肝いりで「入門奈良学講座」が始まった。
その年の秋 正倉院事務所調査室長 関根氏は同講座で「正倉院宝物の伝来」と題して講演があった。講演の要旨は 正倉院と宝物 の概要説明があって どうも正倉院の基本的なことが案外わかってないのではないかと思われる。と前置きして 正倉院の宝物は申すまでもなく 聖武天皇が生前身の回りにおかれていた品々を天皇崩御のあと皇后であった光明皇太后が一括して東大寺盧舎那仏に献納されたもので東大寺の正倉に収められた。(当時大寺院にはそれぞれ正倉があった。)これが正倉院宝物の基本的なものである。その他皇太后献納物以外に多数の奈良朝の遺品が伝来しているが 各種の品々と共にその目録が一緒に添えて納められていて これが正倉院宝物の大きな特徴である。品物だけでなく 品物と献物帳が一緒というところに歴史的 学術的価値が高い。献物帳には皇太后の切々とした哀悼の願文と共に各種の宝物が列記され「国宝の珍宝」と書かれていることから 別に「国家珍宝帳」と呼ばれている。

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