「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くから 大和の気象歳時記№89 雨乞の種々相

ところで 旱天の慈雨に恵まれると 雨乞願満御礼にナモデ踊りがおこなわれました。この踊りは近世の大和に広くおこなわれた風流踊りで 囃子の中心が頭太鼓 羯鼓など太鼓であるところから太鼓踊りと呼んでいるところもあります。またナモデ踊りと呼んでも 振りや芸態はまったく同じであるが 厳密には雨乞祈願の踊りはイサミ踊り 雨乞満願の踊りをナモデ踊りと区別しました。
 「高取藩風俗問状答」にもイサミ踊りに関して 雨を乞ひ候に踊りをいたし 神いさめたす村も御座候。」と述べており 雨を乞うために神をいさめるところから イサミ踊りであって それをイサミ踊りと称したものと考えられます。ナモデ踊りについても「高取藩風俗問状答」は南無手踊旱の節雨乞の立願し 御座候とき御礼に踊る 願満踊といふ所々に御座候 とはっきり願満の踊りとしており 文学については南無手をあってています。ところによっては南無天としてしているところもありますが 石上社の記録「南無阿弥陀仏踊りに 田記伝 布留乃なもでをしりの事 その願い雁興しれ有し大和乃国のなもでをとり 此布留郷より事をこれり 南無阿弥陀仏踊と言いくなもてをとりとよめ里 (ナモデ踊りという名称が 南無阿弥陀仏踊りからきたとしています。
こうしたイサミ踊りとナモデ踊りはおどるとさ 名称はちがうが内容は同じ踊りです。

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