「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くから 大和の気象歳時記№65 雨乞の種々相

牛を殺して雨を祈る
日本書記 皇極天皇元年七月の条に「村々の祝部の所教の随に 或は牛 馬を殺して諸社の神を祭りに 或は頻りに市を移し 或は河左伯に禱るる。飛鳥川上坐宇須多伎比売命神社の場合参照

牛馬を殺して雨降りを願ったといふ事に奇異を感じ容易に信じがたかったが いろいろ調べているうちに次の様なことが判ってきました。

三田市下田中では大正十二年の雨乞に牛の首を屠殺場でもらってきて これをヒトモシ山の上で柴とともに昼から夕方まで続けて焼いて雨を祈りました。三田市青野でも牛を殺し その首を山の堂に持って行き その血を堂に塗ると神が汚いのを怒って雨を降らせるといいます。兵庫県ではもう一箇所 飾磨群 夢前町で昔この雨乞が行なわれたそうで ここでは 夢前川上流のカソガツボと称する甌穴に牛の生首を投げこむと 水神の怒りを買って大雨」になるといいます。その他 箕面市 または豊中市でも牛の首を池に入れ 牛の首を切って神社の境内の岩に塗りつけるということがあったと云います。和歌山県にも
似た様な話しが残っています。偖大和の国では「大和志」添上群の条に「投牛山 右田村東 昔屠牛祈雨有志 因名」とあって やはり牛を殺して雨を祈る風習があったものと思われます。

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