「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くから 大和の気象歳時記№62 雨乞の種々相

鐘と雨乞


 川西町結崎の糸井神社では願果し相撲絵馬を紹介したが同神社拝殿には この他雨乞に村の若い衆が裸で釣鐘を担いで神社に詣り 境内の池に放りこんで雨を祈った明治二十七年に奉納された絵馬があって 褌に鉢巻姿の若者たちが夜中 松明・提灯をかざして神社に鐘を担ぎ込むところ それを池に漬けるところを描いた絵馬がかかげられています。鐘を水に漬けて雨降りを祈る風習のあるところは 桜井市(旧桜井町)では釣鐘を水に漬け竜頭のところまで水がくると雨が降るといい 同市吉隠(よなばり)でも寺の釣鐘を三日間川に漬けて雨乞をしました。同市初瀬町でも半鐘を川に漬けました。磯城郡織田村(現桜井市)芝の広読寺は雨乞の霊験あらたかな寺でしたが 明治の廃物にあい村の火消鐘になっていましたが日照が続くと鐘の出番となり鐘を池にいれると雨を降らしたといいます。同じく朝倉の岩坂ではこの村の会所寺と狛の庵寺の鐘を初瀬川の渕に放りこんで雨乞をしました。田原本町笠形(現天理市)では七日間の雨乞の願をかけそれでも雨がふらないときは池の水が枯れた時 現れる池の中の井戸に「池の中ガンガラ 雨たんもれ たんもれ」と唱えながら鐘を漬けると雨を降らすのだといいます。このことは戦後十数年後の調査でも確認されています。宇陀郡大宇陀町本郷で 榛原町王立 室生村下笠間でも鐘を水に漬けて雨を云うた。吉野郡下市町阿知賀西吉野村でも寺の釣鐘やお宮の神輿を川に漬けて洗い僧や神社に拝んで貰って雨を祈りました。奈良市京終では村人が一人づつ提灯をつけて半鐘を担ぎ 行列を作って村のたの周囲を廻り 池の中にこの半鐘を入れました。「アメタンモレ」行事です。なほこの行事は桜井方面におおいようです。

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