「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くから 大和の気象歳時記№33 雨乞⑭神社と祈雨

神社と祈雨
 古代のところで述べましたが 雨の神への信仰は中世になっても引き続きその命脈を保っていました。もっとも「延喜式」の祈雨社の信仰のごときそのままの形で残っているわけではないが 丹生川上社へは 依然として奉弊の使がたてられました。ただ黒馬を献ずることは少なくなり 文明四年(1472)六月四日には費用のないため奉弊の中止になった例もあります。
 次に神社での祈雨に どの様な儀礼が行なわれたでしょうか 神仏習合の当時にあって僧徒の神前読経も珍しくなかったが 普通には奉弊 神楽が行なわれました。また4度祓い 霊所七瀬の祓い 荒神祓い等神道的儀礼も 請雨経法儀礼と結びつき その一環として行なわれました。現今の雨乞にもお百度参り お千度参りをきくが 室町期の奈良ではこれと似た一万度または三万度の祈雨法がありました。これは春日社と興福寺南円堂の間を一万度または三万度往復参拝することで 奈良南北両郷の郷民が行ないました雨乞の願掛けをし 願のかなったときお礼の行事として行なわれたようです。


外部資料 興福寺南円堂 

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