「うのん」の気象歳時記ブログ

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大和の自然   春日山のモリアオガエル

外部資料
カエルの類は繁殖期になると池の中に入る。そして水中で交尾し、水中で産卵するものである。その時分に雄の雌を呼ぶ声なやまかしさが、カエルの合唱というのはそのときのことである。ところが珍しいことにモリアオガエルは交尾期に水中に入らない。かえって池辺の幹を上がって行く。そしてちょうど池の上方に差しのべた枝の先まで行ってそこで交尾する。たくさんの卵とともにニカワのような物質が出てくる。それを 雄雌より添いって後ろ足でこれをかきまぜると、その物質はドンドンふくれてくる。そしてちょうどアワユキのかたまりのようにな、大きさは大きな夏みかん メロン大ぐらいの 卵塊が出来上がる。そして卵からかえったオタマジャクシは池の中にポトンと落ちると ちょうど下は池の中という具合になっている。
このモリアオガエルは春日山にいる。5・6月の候春日大社近く、アセビの森の中の池や、水たまりを注意して見ていると、地上に伸びたあちこらこちらの木の枝にたくさんの卵塊がぶらさがり、樹間を漏れる日光に照らされて金色に輝いているさまはなかなかの美しい景色である。このモリアオガエルはどこにでもいるありふれたものでもなく 珍しい動物でもない。しかし 産卵する場所の知られたるところは非常に少ない。ことに春日の池のようにこんな便利な所で見られるのは珍しい。

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